不動産を売却するのに適した時期やタイミングを調査!税制や市況や季節を考慮したタイミングについて

不動産売却の時期とは?

中古品をリサイクルに出すような場合、特殊なもの以外は売るタイミングや時期などはあまり考えず、時間がある時にショップに持ち込んで売る人がほとんどだと思います。

しかし不動産の場合、売却によって得られる代金は時期によって変化することがあるので、売却のタイミングや時期を考慮するとより有利に売ることができます。

さらに不動産の売却では税金の支払いが必要になることもありますから、単純に買い手から頂く代金の価額だけでなく、最終的に手元に残る金額を考えると少々複雑です。

不動産は複数の角度から「売り時」を考えることができるので、この章では不動産を売却するのに適した時期について考えてみましょう。

家屋の売却原則は「できるだけ早く」

できるだけ早く売る
不動産売却における原則論としては、土地はさておき家屋の方はできるだけ早く売るのがセオリーです。

一戸建てでもマンションでも、建物は経年劣化という要素が入るので売却が遅れれば遅れるほどに劣化が進み、それだけ値段が落ちてしまうからです。

特に戸建てで非現住物件の場合、人が住まない家屋は途端に朽ちるスピードが速くなるので、メンテナンスの手間なども考えると早く売却を成功させた方が金額面でも手間の面でもお得です。

マンションは非現住物件であっても建物自体の劣化スピードは戸建てよりは緩やかですが、市場における相場は1年ごとに値減りするので、こちらもやはり売るならば早く売ってしまった方が売却代金としては高くなるのが普通です。

マンションは築10年を超えたあたりから急激に値を下げるため、売り手側は交渉上なかなか強気に出られなくなる恐れがあります。

逆に築10年以内の物件は人気があり購入希望者が多く現れるので、売り手側が優位に交渉に臨みやすい環境になります。

戸建ての場合は概ね築15年までは買い手が付きやすいですが、これを超えると人気が落ちるので売りにくくなります。

マンションでも戸建てでも、やはり古くなれば人気が落ちるのは同じです。

年数が経つほどに高い値で買ってくれる人がいなくなるので、値下げを受け入れなければならなくなります。

よって、売却価格を高く維持し有利に売り抜けることを考えるならば、建物についてはできるだけ早期に売るというのがセオリーになります。

一方、土地については建物と違って経年劣化という要素は入ってきません。

地震などの自然災害や土壌汚染といった要素が土地の値段に影響を与えることがあるので価値が不変ということではありませんが、建物のように年数経過を理由に少しずつ値を下げるといったことは基本的にはありません。

従って、土地の場合はできるだけ早く売るというスタンスではなく、市況やその他の要素を含めて見ていくのが基本戦略になるでしょう。

市況から見た売却時期

市況による売り時期
玄人目線での分析力が求められますが、不動産の市況を見て売り時を見極めるという方法もあります。

市況判断はオリンピック需要や駅の新設、大型施設の設置計画など社会的な出来事が大きく関与することがあり、対象不動産がその影響が及ぶエリアにあれば値幅に影響を及ぼします。

2020年のオリンピック需要に関しては、東京都内の一部エリアで活況を見せており、基本的には上り調子とみることができます。

反面オリンピックが過ぎれば需要が一気にしぼむことも予想されているので、現在市況が活況なエリアに物件を持っているのであれば今が売り時とみることができます。

地方の物件に関しては人口減少などによって土地の値下がりが続いている所もあるので、今後も開発などのプラス材料がなく需要がしぼむ一方であることが予想されるならば早めに売ってしまう方が有利になります。

いずれにしても素人では市況を見定めることは難しいので、経験の長い不動産業者や不動産を専門に分析している研究者、FPなどに助言を求めると良いでしょう。

個人で専門的な相談をすると相談料が取られると思いますが、各地で無料の勉強会やセミナーなどが開かれていますので、積極的に参加して情報を集めるという姿勢も必要です。

とはいえ、市況を一から判断して売り時を見るというのはやはり一般の方にとっては手間も時間もかかる作業です。

至極単純に考えるのであれば、「今売れば買った時よりも高く売れるか?」という基準で見ると損得判断がシンプルで分かりやすいと思います。

家屋は通常経年劣化があるので買った時より高く売れるということはあまりありませんが、土地に関しては値動きがあるので、今の時点での売却予想額を不動産業者に査定してもらい確認することができます。

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税制を考慮した売却時期

税制からみた不動産売却
税制は国が定めたものですから、仕組みを理解することができればはっきりとした判断基準になり得ます。

税制では不動産の所有期間によって税金面での優遇措置が受けられることがあるので、これを利用できれば税負担を軽くし、手元に多くの資金を残すことができます。

以下①~③で優遇措置を見てみましょう。

①税率の優遇

不動産を売却する際にかかる不動産譲渡所得税は、譲渡所得に一定の税率をかけて税額を算出します。

この税率は対象不動産の所有期間によって変化するので、要件を満たせばより有利な(低い)税率を適用することができます。

まず、対象不動産の売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるか5年以下かというのが一つの大きな分岐点になります。

5年以下の場合、短期譲渡所得扱いになり税率は39%と高くなります。

短期間に譲渡を繰り返す投機的な動きをけん制するためですが、所有期間が5年を超えていれば税率は20%で済みます。

税金を考えると売却は所有期間が5年を超えてからの方が有利ということになりますね。

ちなみに相続によって取得した不動産の場合、所有期間は被相続人の所有期間を引き継ぐことができます。

被相続人の所有期間と、自身が相続後に所有した期間を合算して考えることが可能です。

ただし、実際の不動産譲渡所得の計算では、経費換算や色々な特例の利用によって税金の負担が生じないこともあるので、その場合は特に意識しなくても良くなります。

所有期間が10年を超えると、特例として譲渡所得のうち6000万円以下の部分についてはさらに低率の14%を適用することも可能です。

ただしこの特例は、一定の要件を満たす居住用不動産でなければ利用することができません。

▼税金について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
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②課税の繰り延べ特例

所有期間が10年を超える居住用不動産を売り新たに別の居住用不動産を買う、いわゆる買い換えをする場合には、一定の要件を満たすことで課税の繰り延べ特例を利用することができます。

売却する不動産の譲渡収入金額と新たに購入する居住用不動産の価額を比較して、新たに購入する不動産の価額を超えた部分の譲渡収入金額のみを不動産譲渡所得税の課税対象とすることができます。

もし売却不動産の譲渡収入が購入不動産の価額に満たない時には、譲渡がなかったものとみなして課税が繰り延べられます。

ただし完全に非課税になるというのではなく課税の繰り延べである点に留意が必要です。

今回購入した不動産を将来売却する時の状況によっては、繰り延べられた税金が圧縮されて実質非課税になることもありますが、幾らかが課税されることもあります。

いずれにしても、買い換え事案の場合で他の諸要件を満たせるのであれば、所有期間が10年を超えてからの方が税制上はお得ということになります。

③譲渡損失の損益通算と繰越控除

所有期間が5年を超える不動産を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡損失の繰越控除や損益通算の特例を受けることができます。

損益通算とは、不動産の譲渡において生じた損失がある場合、他の所得から赤字分を減算して計算することができるものです。

例えばお給料などの給与所得を減算し、こちらに発生する所得税を減らす効果を生むことができます。

繰越控除というのは、損益通算を一定期間繰り返し行うことができるというもので、現行では3年間繰り越して控除することが可能です。

お給料などの所得が他にあり、不動産の売却で譲渡損が出そうな場合は所有期間が5年を超えてからの方が特例を利用できる分お得ということになります。

なお損益通算と繰越控除の特例は単純に売却するケースと買い換えによって新たな不動産を購入するケースとで特例の制度が異なるので、それぞれのケースで対象となる特例の要件を確認する必要があります。

季節的タイミングを考慮した時期

季節から見た売り時
不動産の取引が活発になる季節的な時期があれば、この時期に買い手候補に物件情報を届けるように準備することで、より多くの見込み客にアプローチすることができます。

不動産の取引が活発になる時期というのは、人の異動が多く発生する時期に重なります。

まず一つ目は、引っ越しが多く発生する新年度の4月前です。

4月前には住宅の購入を終えておきたい客層に向けて、12月~1月頃に売り出しを開始するとベストのタイミングで物件情報を届けることができます。

4月ほどではありませんが、転勤が発生する9月頃も人の異動が起きやすい時期です。

これに合わせて6月頃から売り出しを始めれば、こちらの客層に情報を届けることができます。

可能であれば、こうした季節的な要素も売却計画に取り入れてみましょう。

周辺物件の売却動向も考慮する

周辺物件からみる売却時期
狭いエリアで一斉に不動産が売りに出されると、供給過多になり不動産が値下がりすることがあります。

例えば大規模なマンションが建設されると、住み換えのためにこれを買い求める人が自分の家を売りに出します。

分譲マンションは3月頃に引き渡されることが多いので、この時期に一斉に不動産が売りに出されると供給過多になり不動産市場が値下がりを見せる可能性が出てきます。

大規模マンションの建設が行われていることが分かったら、分譲時期を調べてこれよりも早く売りに出し、値崩れ前に売却を完了できるように予定を組みましょう。

まとめ

この章では不動産を売るのに適した時期について、複数の角度から見てきました。

経年劣化の要素がある家屋については、売ることが決まっているのならば基本的にはできるだけ早く売る方がより高い売却代金を手にすることができます。

ただ税制上の優遇措置を利用するには一定年数の保有要件が求められるので、もう少しで要件を満たすことができるのであれば、年数要件を満たすまであえて売却を待つということも考えられます。

土地に関しては経年劣化の要素が無いので、税制の優遇措置のことも考慮しながら可能であれば市況判断を組み入れながら売却計画を立ててみましょう。

土地も家屋も、季節的な要因は少なからず絡んできますからできるだけ売りやすい季節に合わせて計画を立てることができればなお良しです。

マンション開発などローカルの事情については初期のころは自分で情報をキャッチするのが難しいと思いますが、査定依頼を出す不動産業者などに探りを入れると情報を引き出せることがあります。

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