不動産売却の流れ!売却の費用や契約や手続きをまとめ!

不動産売却の流れ!売却の費用や契約や手続きをまとめ!

不動産売却の手続きと流れ

不動産売却における手続き面での流れを把握することで全体像のイメージを掴むことができます。

あなたが不動産を売る立場になった場合には、概ね以下のような流れで手続きが進行していきます。

  1. 不動産業者への査定依頼と相場の把握
  2. 売り出し価格の決定
  3. 仲介契約の締結
  4. 売却活動の開始
  5. 不動産業者からの報告の受領
  6. 販売方針の修正
  7. 内見対応
  8. 条件交渉
  9. 売買契約の締結
  10. 物件の引き渡し
  11. 税金の処理
実際には、上記手続は時期が近接したり並行して順次進んでいきます。

それぞれの項目で具体的にどのような行動が必要になるか、注意点は何かなど詳しい詳細はこちらのページで確認できます。
不動産売却の手順と流れ 不動産売却の手続きと流れ 不動産売却をスムーズに行おう!

机上査定と訪問査定の違い

一括査定サイトでは不動産業者に対する査定依頼を出すことができますが、査定の方法には二種類あります。

一つは机上査定(簡易査定)といって、サイト上で入力した物件の基本的な情報を基に算出する査定法です。

過去の取引で条件が似たようなケースを参考にしてする査定法ですが、物件を直接目視しないのであくまで簡易的な手段となります。

もう一つは訪問査定といって、不動産業者の担当者が実際に物件を目視して行う査定法です。

物件の状況を具体的に把握できるので、より正確な売却予想価格を割り出すことができます。

対象物件を売却することが決定している場合には最終的に必ず訪問査定を受ける必要がありますが、相場の把握をしたいだけであれば簡易査定だけでも事足ります。

簡便さと正確性のどちらを優先するか、そして売却が決定しているか否かなど個別の状況を見て、両査定法のどちらを選択すれば良いかを考えていくことになります。

机上査定も訪問査定もそれぞれメリット・デメリットがあるので、これらを理解したうえで上手に利用したいものです。

各査定法についての詳しくは以下のページで確認できます。
机上査定と訪問査定 不動産の査定方法!机上査定と訪問査定の違い!どれくらいの時間がかかるのか?

不動産売却時に自分で相場を調べるにはどうする?

不動産はプロの不動産業者に査定をお願いすれば簡単に相場価格を知ることができますが、業者に査定をお願いする前にある程度自分でも相場を確認しておきたい人もいるでしょう。

自分で確認したうえで売るかどうかを判断したい人もいるでしょうし、自己確認してから不動産業者に査定してもらうことで、業者が提示する査定額の信ぴょう性をある程度自分で判断することも可能です。

不動産相場の自己確認法としては以下のような方法があります。

  • 固定資産税評価額からの割戻計算
  • 近隣エリアで似たような物件の販売状況を見てみる
  • 国土交通省所管の土地総合情報システムを利用する
  • 不動産流通機構が運営するレインズマーケットインフォメーションを利用する
  • 国や自治体が発表する公示価格や基準値価格を調べる
  • 民間各社が運営するサイトで似た物件の取引情報を探してみる
  • 土地路線価を調べてみる

相場を調べたい不動産が戸建てやマンションなどの家屋なのか、それとも土地なのかによっても検討できる方法が異なりますが、上記のように自己調査に利用できる方策はいくつかあります。

それぞれの方法で具体的にどのようにして調べるか知りたい人は以下のページで確認してください。
自分で不動産の相場を調べる方法 不動産売却時に自分でできるマンションや土地の相場の調べ方!

不動産を売却する時にかかる仲介手数料とは?

不動産売却を仲介してくれる業者には報酬として仲介手数料を支払う必要があります。

これは成功報酬の位置づけとなるので、買い手が付き売買契約が成立しなければ支払う必要はありません。

取り引きが成立し売却が成功した場合にのみ必要になるものですが、手数料の額は事業者が完全に自由に決定できるものではなく、法律で上限のみが設定されています。

各事業者はこれを超える報酬を請求することができませんが、多くの場合上限いっぱいの金額を請求してきます。

一部の悪質業者に不当に高額な金額を請求されないためにも、上限額の計算方法を知っておきたいところです。

原則の計算式は、売却金額を3つの区分に分けて、それぞれ対応するパーセンテージをかける方法で算出します。

  1. 売却金額のうち200万円以下の部分・・5%以内(税抜)
  2. 売却金額のうち200万円超400万円以下の部分・・4%以内(税抜)
  3. 売却金額のうち400万円を超える部分・・3%以内(税抜)

上記①~③のステージで計算した金額に消費税を加えた額が業者が請求できる額になります。

また売却金額が400万円を超えるケースでは「売却金額×3%+6万円+税」の簡易計算式を利用することもできます。

手数料額の具体的な計算事例や値引きの可否、支払時期、支払い方法なども含めて詳しくは以下のページで確認することができます。
不動産を売却する時にかかる仲介手数料とは?すぐに上限がわかる計算式アリ!

不動産売却にはどんな費用がどれだけかかるのか?

不動産を売却する場合、一般の方が思っている以上に様々な名目での出費が必要になります。

これらをまとめて「諸費用」と呼びますが、出費額は小さなものから大きなものまで色々です。

以下で概要を確認します。

クリーニング費用

家の広さによって費用は上下するため、3万円程度~10万円超えまでレンジが広くなります。

リフォーム費用

最低限必要な箇所の補修として行いますが、出費額は数千円~数十万円程度とレンジは広くなるでしょう。

引っ越し費用

荷物の多さ、移動距離などによって費用感は上下します。

単身者であれば数万円、4人程度のファミリー世帯では10万円を超えることもあります。

測量費用

取引物件として土地が入る場合に境界を確定するものです。

一般に、数十万円の出費がかかります。

仲介手数料報酬

売却を仲介する不動産業者に支払う手数料です。

法律で上限額の計算方法が決められており、多くの場合上限いっぱいの報酬を求められます。

売却金額が大きくなるほどに上限額も上がる仕組みになっており、数十万円から数百万円の手数料が必要になります。

詳しい計算方法は下記記載の個別解説ページで確認してください。

印紙税

不動産の売買契約書に貼付する印紙代です。

契約金額が大きくなるほどに印紙税額も上がります。

現在は軽減措置が講じられており、例えば契約金額が5千万円超1億円以下であれば3万円の印紙税がかかります。

固定資産税負担金

毎年1月1日時点で課税される固定資産税は、多くの場合売り手側が納税義務を持つため、売買取引の日割り計算によって買い手から負担分の金員を交付することで清算します。

住宅ローンの繰り上げ弁済

ローンが残る物件を売るために繰り上げて事前完済する際に必要になる手数料で、金融機関によって金額が異なります。

抵当権の抹消登記費用

対象物件の抵当権を解除するための登記費用で、不動産1つにつき1000円です。

不動産譲渡所得税

不動産の売却に伴って売却益が出た場合にかかる税金です。

計算方法などは一定のルールに従う必要があるので以下の個別解説ページで確認してください。

不動産売却にかかる諸費用 不動産売却に掛かる諸費用一覧!税金の計算方法や確定申告で迷わないために!

不動産売却における媒介契約とは?契約の種類とメリット・デメリット

不動産の売却は買い手探しなどの実務を不動産業者に任せるのが普通です。

その際に不動産業者とは媒介契約(仲介契約)を結ぶことになりますが、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」という3つの契約タイプのどれかを選んで契約することになります。

「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」は複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができませんが、「一般媒介契約」はできます。

基本的に、不動産売却の成功率を上げることを優先するならば①か②、売り主としての自由度を優先するならば「一般媒介契約」が選択肢に上がりますが、3つのタイプにはそれぞれメリットやデメリットがあるので、それらを考慮したうえでの選択が必要です。

契約のタイプによって、依頼する側(売り主)及び仲介会社にどんな義務が課されるのかも変わりますので、以下の解説ページで詳細を確認してください。

不動産売却の媒介契約とは? 不動産売却における媒介契約とは?契約の種類とメリット・デメリット

不動産売却で問題になる「瑕疵担保責任」とは?

不動産の取引では「瑕疵担保責任」というキーワードが重要になる場面があります。

「瑕疵」とは傷や欠陥のことをいい、「担保責任」とは瑕疵を補修する責任という意味合いです。

不動産は土地と家屋に分かれますが、家屋であれば売り主も買い主も気づきにくい雨漏りやシロアリの被害が及んでいる可能性があります。

土地も地中に廃棄物などよろしくない埋蔵物が埋められているといった可能性もあり、契約当時者が気づくことができない瑕疵を「隠れた瑕疵」と呼びます。

こうした隠れた瑕疵がある物件を取引した場合は、売り主が原則として責任を負うことになるので、売り主は瑕疵担保責任のルールについてはよく知っておかなければなりません。

瑕疵担保責任は民法に原則のルールが定められており、これに従うと売り主は長期間大きな法的リスクに曝されることになります。

しかしこの基本原則は契約上で修正することが可能で、瑕疵担保責任を負わないことにしたり、責任の範囲を狭めたり、責任を負う期間を限定することも可能です。

契約交渉上でこの瑕疵担保責任の取扱いが交渉材料にされることもあるので、売り主としてはできるだけ自方に有利に設定することが重要になります。

瑕疵担保責任について詳しい解説やリスクの回避方法などについて、以下のページで説明していますので参考になさってください。

瑕疵担保責任とは? 不動産売却で問題になる「瑕疵担保責任」とは?

共有名義の不動産は売却できない?売るための方法とは?

不動産は時に複数人によって共有状態となることがあります。

例えば相続財産となった住宅が複数の相続人によって共有されるケースや、夫婦双方が資金を出し合って購入するマンションを共有とするケースなどがあります。

共有状態の不動産をそのまま売るには共有者全員の合意がなければならず、一人でも反対すれば売ることができません。

不動産を売って現金化したい人が他の共有者の反対にあった場合は売却が難しくなり、説得に時間を取られることになります。

全員の合意が取れたとしても、売却の実務上は購入相手が対象不動産の権利関係に慎重になることから、スムーズな手続き進行が難しくなることも多いです。

そのため不動産は最初から共有状態にならないようにすることが推奨されています。

よりスムーズに共有状態の不動産を売るには、他者の持分を買い取って自分単独所有とする方法や、登記簿上で土地を分ける分筆をするという手段もあります。

持分自体を売ることも不可能ではありませんが、市場で買い取られることはまずありません。

持分の譲渡には相当の対価が必要となり、親族間などで無償譲渡がなされた場合は贈与税が課税されることがあるので要注意です。

特に相続事案に絡んで共有となるケースが多いので、リスク回避についてもこちらの詳細ページで確認してください。

共有名義の不動産売却方法とは? 共有名義(持分)の不動産を売却する方法!委任状が必要なの?手続きの仕方や税金について

不動産売却の仲介と直接買取の違い

個人の方が所有する不動産を売る方法としては大きく二つの方法があります。

一つは市場にいる見込み客を探して買い手を探すもので、この作業を不動産業者に依頼する「仲介」という方法です。

もう一つは市場の買い手を探すのではなく、不動産業者自体を買い手とする「直接買取」という方法です。

「仲介」では仲介を依頼した不動産業者に売却するわけではなく、対象物件の売買契約の相手方は実際に市場で見つかった買い手になります。

仲介における登場人物は「売り主」「仲介業者」「買い主」の三者であるのに対して、

直接買取では登場人物は不動産業者自体が買い主となるので「売り主」と「買い主」の二者だけです。

市場で買い手を探す必要が無いので売却手続きは楽なのですが、直接買取にはメリットもあればデメリットもあります。

メリット

  • 仲介手数料がかからない
  • 短期間で現金化できる
  • 一般客が買い取りにくい物件でも売却しやすい
  • 瑕疵担保責任の免除が可能
  • 近所に知られにくい

デメリット

  • 仲介で売るよりも2割~3割ほど売却価格が下がる
  • 業者によって扱えない物件もある

原則としては仲介による売却が基本となりますが、直接買取は急ぎの売却事案であったり市場で売りにくい物件の場合に選択され、ケースによっては利用価値があるものです。

直接買取について詳しくはこちらで確認できます。

不動産売却の仲介と買取 不動産売却の仲介と直接買取の違い!メリットとデメリットを調べました!

住宅ローンが残る不動産は売却できない!?売るための方法と手順

マイホームの購入には多額の資金が必要ですから、住宅ローンを利用することも多くなります。

住宅ローンは数十年スパンで返済していくものですので、その間に購入したマイホームを売らなければならなくなることもあります。

ローンが残った状態の不動産は「抵当権」が付いているため、そのままでは市場で売ることができません。

ローンが残った状態の不動産を売るには以下の方法があります。

  1. 売却前に事前に繰り上げ弁済を行いローンを完済する
  2. 不動産の売上代金でローンを完済する
  3. 不動産の売上代金と自己資金を加えてローンを完済する
比較的②の方法が取られることが多いですが、この場合不動産の売上代金がローンの残債を超えなければならないので、売却前の査定の段階でより精密な査定をしておかなければなりません。

実際の売買交渉では買い手から値引き交渉が入ることがほとんどですから、査定額よりも成約価格が下がることも多いので、その点の考慮も必要です。

①や③では自己資金が必要ですが、例えば生命保険の解約返戻金や契約者貸し付けを利用する、退職金の前払い制度を利用する、親族から借り入れるなどの方法が考えられます。

②と③はまだローンを完済する前の抵当権が付いた状態で売却に臨むことになるので、通常の売却とは違い手続き実務上で色々な工夫がなされます。

ローン付き不動産の売却について詳しくはこちらで確認してください。

任意売却とは? 任意売却とは?住宅ローンを完済できなくても不動産の売却ができる!?

相続で引き継いだ実家はどうする?相続不動産の売却と活用について

相続によって実家を承継した後の扱いについては、それまで自分自身も実家に住んでいたのか、それともすでに離れた土地に別に家庭を築いてるのか、あるいは割と近くに別居しているのかなど、それぞれの事情によって有効な利活用の仕方は変わってきます。

考えられる利活用の方法は主に以下の3つです。

  • 自分のマイホームとして引き続き住む
  • 賃貸に出す
  • 売却する

自分のマイホームとして使うことができればそのまま住み続けることができますが、遠方で家庭を持っていたり、仕事の都合を考えると難しいことも多いです。

賃貸に出せば賃料収入を得ることができますが、昨今は賃貸ビジネスでも空き家リスクに悩まされるオーナーが多いことは聞いたことがあると思います。

人に貸す場合は賃貸人としての責任が生じるため手間やリスクについても承知しておかなければなりませんが、税制面ではマイホーム売却にかかる3000万円の特別控除が使えなくなる可能性も意識しておかなければなりません。

それまで自分自身も実家に住んでいたのであれば、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売らなければこの特例を利用できなくなります。

取りあえず借り手が付いたとしても、将来に渡って安定的に借り手が付くという見通しがないならば、上記期間内に売ってしまった方が有利かもしれません。

売却する場合は他にも10年超の所有期間を持ち一定の条件を満たす場合に使える軽減税率の特例や、売却した不動産の売却金額が購入した不動産の取得価額よりも小さい場合に不動産譲渡所得税の課税が繰り延べられる特例が利用できることもあるので、利用できないか検討を要します。

同居していなかった実家を売る場合には、一定の条件を満たすことで利用できる「空き家にかかる3000万円の特別控除」も検討できます。

この特例は昨今の空き家増加による弊害を税制面から減らすための措置です。

税制上の特例は多くあり、それぞれ必要要件等も異なります。

以下のページで相続事案に検討できる各種特例について横断的に述べていますので参考になさってください。

不動産を相続する際にかかる税金と節税方法 相続した不動産を売却時の税金は?売却までの流れと税控除

離婚したらマイホームの運命は!?ローンが残る不動産を売却する方法とその他の選択肢

昨今は離婚に至る夫婦の割合が増加しているのが現状です。

離婚はそれ自体が大変大きなライフイベントであり、夫婦関係を清算するために多くの交渉や手続きが必要になり、時間と労力を要するものです。

離婚時には財産分与、慰謝料、養育費など様々な折衝が必要になりますが、その中でもマイホームは財産分与の項目で大きく関わってきます。

結婚後に夫婦が取得したマイホームは、名義が夫婦どちらにあっても二人の力で手に入れた財産として、一定の割合で権利を相手方に分与しなければなりません。

実際には不動産そのものを物理的に分割するのではなく、他の交渉項目と合わせて金銭的に分割することになりますが、特に厄介なのが住宅ローンがまだ残る場合です。

離婚に伴うマイホームの財産分与では、離婚後当該不動産をどちらが利用するのか、または売却するのかによって対応の仕方が大きく変わります。

売却する場合は、まずローン残債が売却代金で賄えるかが問題になります。

売却代金で賄えない場合はそのままでは売ることができませんし、この場合は当該不動産に実質的な価値がないとみなされて財産分与の対象にはなりません。

売却代金がローンの残債を上回る場合はその差額が実質的価値として財産分与の対象になります。

離婚後もどちらかが住み続ける場合は非常に複雑になってきます。

名義がどちらにあるのか、そして住み続けるのがどちらになるのかによって対応の仕方が大きく変わってきますし、夫婦の一方が連帯保証人になっている場合にはリスク管理も必要になってきます。

以下の個別記事では想定するケースでの立ち回り方を解説していますので、参考になさってください。

離婚時の不動産売却 離婚したときの不動産売却方法!財産分与や税金はどうなるの?手続きの流れを公開

認知症になった親の不動産を代わりに売却することはできる?成年後見人の利用について

他人の不動産を勝手に売るなどということは当然犯罪ですので法律的にも禁止されていますが、実際の取引の場面でも真の権利がない者による不動産売買はできないように配慮がなされています。

しかし実際には最近の事件でもあったように、他人に成りすますなどの方法で違法に権利の無い不動産を売却できてしまう事例もあります。

そこで今後は取引の実務上で、より一層の権利確認や本人確認が徹底されることと思いますが、不動産の所有者自身でなければ取引ができないとなるとこれも流通の妨げになります。

仕事で忙しい、病気で入院中などの理由で不動産の所有者自身が契約実務を行えない場合もあるでしょう。

そうした時には所有者の親族などが代理人となって不動産の売買契約を行うことも可能です。

その際は委任状を用意するなど一定の手続きが必要ですが、例えば不動産の所有者が自分の親で、その親が認知症になったり精神的な病気にかかってしまった場合は上記のように子などの親族が代理人となって売買取引をすることができません。

認知症や精神障害者になった者は正常な判断ができないため、「委任」という法律行為を正常に行えないためです。

そこでそのようなケースでは、「成年後見制度」を活用することで適正に売買に臨むことができます。

適当な親族などが本人を支援する立場として色々な行為を行うことができる制度ですが、これには家庭裁判所での手続きが必要になります。

本人の支援が必要な度合いが弱い順に「補助」「補佐」「後見」の3つの類型があり、それぞれ支援する者ができることや影響の度合いが変わってきます。

本人の認知症が進んでおり判断能力を欠く状態にあれば「後見」が適用となり、本人を支援する者は「成年後見人」に指定されます。

成年後見人は幅広い代理権を有することになりますが、本人の居住用不動産を売る場合はもう一つ手続きが必要です。

家庭裁判所に不動産売却の許可を貰う必要があり、売却する正当な理由が必要になります。

居住用不動産を売ることで将来的に本人の住み場所がなくなるなどの不利益を被ることがないか、売買の契約金額は適正かなどのチェックを経て、許可を得てからようやく売却が可能になります。

本人の非居住用物件の場合は家庭裁判所の許可は要りませんが、後見人として本人を支援する目的を逸脱して勝手に処分してしまうと、後から責任を問われることになるので注意が必要です。

不動産売却と成年後見制度について詳しくはこちらで確認できます。

成年後見人による不動産売却について!認知症になった親の不動産を代わりに売却することはできる? 成年後見人による不動産売却について!認知症になった親の不動産を代わりに売却することはできる?

所有者が死亡し相続人がいない不動産の売却はどうする?相続財産管理人について

例えばあなたが誰かにお金を貸していて、貸した相手が弁済せずに亡くなってしまったらあなたはどうしますか?

その貸した相手が不動産を所有していれば換金して返金を受けたいと思いますよね。

しかし亡くなった人に相続人がいれば、故人の不動産は相続人のものとなります。

あなたはその相続人に故人の借金を弁済するように求めることができますが、相続人が相続放棄をするなどして相続人がいなくなってしまうと大変です。

故人に借金が多い等の利用で相続放棄がされることは考えられることです。

その場合、あなたが何もしないでいると故人の不動産は最終的に国のものとなってしまいます。

これを防ぐには家庭裁判所に相続財産管理人の申立てを行い、当該管理人に不動産を換金してもらわなければなりません。

あなたは故人の債権者として、その売却代金の中から貸した分のお金の弁済を受けることができます。

ただし、債権者が他にもいる場合は売却代金は按分されてしまうので、満足のいく弁済を受けられない可能性はあります。

相続財産管理人は利害関係者はなることができないので、弁護士などの資格者が選任されることが多いですが、一定の報酬が必要になります。

報酬は原則として故人の相続財産から支弁されますが、足りない場合に備えて事前に予納金の納付が必要になることがあります。

予納金は30万円~100万円と高額で、相続財産管理人の申立人が費用負担を強いられます。

そして、ケースによっては予納金は報酬に充てられ、返ってこないことがあることには留意しなければなりません。

故人の相続財産が少なく、債権者が複数いる場合には、予納金の負担も考えると自分に返ってくる金額が赤字になってしまうことも考えられるので、十分なメリットがあるかどうか良く調べてから相続財産管理人の選任を検討する必要があります。

相続財産管理人について詳しくはこちらで確認してください。

相続財産管理人とは? 相続財産管理人とは?所有者が死亡し相続人がいない不動産の売却について

住宅ローンを完済できなくても不動産の売却ができる!?任意売却とは

任意売却は不動産売却の分野ではかなり特殊な売却方法で、通常は利用されることはありません。

任意売却が検討されるのは、住宅ローンが残る不動産で、ローンの支払いが難しくなってきた時です。

転職や失職、病気、その他様々な理由で収入が落ち、住宅ローンの設定時に想定した安定収入が途絶えると、住宅ローンの支払いに支障が生じてきます。

そこでマイホームの売却を考えることになりますが、ローンが残る不動産は抵当権が付いているのでそのままでは売れません。

ローンを事前に繰り上げ完済するか、売却して得た代金で清算する必要がありますが、資金難ですから事前完済は難しいでしょう。

売却代金で完済できればいいですが、これができないとオーバーローンとなり売ることができず、結局ローンの完済資金も手に入らないことになります。

このままではローン返済が滞り、マイホームは取り上げられて強制競売にかけられてしまいます。

競売は市場価値よりも相当安く買いたたかれてしまうほかに多くのデメリットがあり、絶対に避けなければならない事態です。

そこで、ローン債権者と交渉の上で先に抵当権を外してもらい、市場で高値で売り抜けてローンの完済資金獲得を狙うのが任意売却という手法です。

通常、任意売却専門の業者に手続きを依頼して、ローン債権者たる金融機関に交渉を申し入れますが、債権者はこれに応じる義務はないので、交渉は一筋縄ではいきません。

粘り強く交渉を進め、任意売却の許可を得ることが第一の壁ですが、次の壁は短い期限です。

実務的には一旦ローンの支払いをあえて滞らせ、債権がサービサーに移転してから数か月の間に無事に買い手を見つけて売り抜けることができないと、結局は競売に進んでしまいます。

任意売却を進める不動産業者に強力な販売力がなければこの方法は成功しません。

そのため任意売却に対応できる業者は多くなく、下手な業者に依頼すると目的を果たすことができなくなります。

任意売却にはメリットもありますがデメリットもいくつかあり、競売を避けるためにはデメリットを甘受する必要があります。

任意売却のメリットやデメリット、強制競売に進んでしまうとどうなるのか、また任意売却の具体的な手順などはこちらで確認できます。

任意売却とは? 任意売却とは?住宅ローンを完済できなくても不動産の売却ができる!?

不動産を売却するのに適した時期はある?

不動産を売るのに適した時期を考えるにあたっては様々な見方があるので一概に述べることができません。

土地以外の家屋については経年劣化の影響があるので、基本的にはできるだけ早く売るというのがセオリーになっていますが、これ以外にも見方によって色々な売り時を考えることができます。

市況を見る方法

プロでも難しいのが市況判断で、将来に渡る不動産需要を見越して最も高く、しかも安全に売る抜けることができる時期を見極める方法です。

税制を考慮する方法

不動産を売る場合、「できるだけ高く売る」ということが一つ大きな目的になろうかと思いますが、少し目線をずらすと「できるだけ多くの資金を手元に残す」という目的に換えることができます。

というのも、不動産を売ると諸経費や税金などの支払いが生じるので、最終的に自分の手元に残る資金をできるだけ多くするために、不動産譲渡所得税をできるだけ軽減するように工夫するのが有効です。

税制上の特例を利用することでこれが可能になりますが、例えば税率の優遇特例や課税の繰り延べ特例は不動産の所有期間が利用条件の一つとなるため、売る時期を考慮することで利用の可能性が出てきます。

また同じく不動産の所有期間が利用条件の一つとなる譲渡損失の損益通算や繰越控除は、給与所得など他の所得を減らして、その分の所得税を軽減するなど税務的なテクニックで税金の出費を減らし、手元資金をより多く残す効果を生みます。

季節を考慮する方法

不動産は時期的に需要が増す時期があり、これに乗って売りに出せばより有利な条件で売り抜けることが期待できます。

人の異動が多くなる4月、あるいは9月頃がこの時期にあたるので、これに合わせて売りに出すことができるように準備をしておくと良いでしょう。

周辺の動向を考慮する方法

大規模マンションの建設が行われている周辺で不動産を売る場合、当該マンションの引き渡しが行われる3月頃には不動産が供給過多になりやすく、有利な売却がしにくい状況が生まれることがあります。

大規模マンションの建設や販売時期はかなり前から情報収集を行い、時期をずらして早めに売り抜けるのが得策です。

不動産を売るのに適した時期について、詳しくはこちらで確認できます。

不動産売却の時期とは? 不動産を売却するのに適した時期やタイミングを調査!税制や市況や季節を考慮したタイミングについて

買い換え・住み換えはタイミングが重要!売却と購入どっちが先?

マイホームの買い替え、住み換え事案は家族構成の変化や仕事の都合、あるいは離婚などの事情によって発生しますが、この実務は意外と難しく、下手をすると大きな不利益を受ける危険があるものです。

自動車の買い替えや携帯電話の買い替えなどと違うのは、多くの場合旧マイホームの売却代金を新居の購入資金に充てる必要があることでしょう。

旧マイホームの売却代金を新居の購入資金に充てる場合、最初に旧マイホームを売るか(売り先行)、それとも先に新居の購入を済ませ、後で代金の支払いに旧マイホームの売却代金を充てるか(買い先行)の選択ができます。

売り先行では、先にどれだけの購入資金が確保できるのかが分かるので、その範囲で無理をしない新居の購入に進めること、売り急ぐ必要が無いので売却交渉上で優位性を失わなくて済むなどのメリットがあります。

しかし逆に売り先行では新居に引っ越せる時までの住居が無くなるので、仮住まいを確保しなければならないことや引っ越しが二度必要になるなどのデメリットが生じます。

買い先行では仮住まいが必要なく、また自分に条件の合う物件を他者よりも先に購入することができるなどのメリットがありますが、新居の購入代金の支払期日までに確実に資金を用意しなければならないので、旧マイホームの売却に失敗すると計画がとん挫してしまいます。

危険が多い買い先行ではリスク回避策として、旧マイホームの売却ができなければ新居の購入契約を白紙に戻す「買い替え特約」や不動産業者による旧マイホームの「直接買取」、短期借入によって新居の購入資金の融資を受ける「つなぎ融資」などを利用することが検討できますが、それぞれデメリットやリスクがあるので、安易な利用は危険を伴います。

リスク回避策の詳しい内容や売り先行、買い先行のメリット・デメリット等について詳しくはこちらで確認できます。

買い換え・住み換えはタイミングが重要!売却と購入どっちが先? 買い換え・住み換えはタイミングが重要!売却と購入どっちが先?

不動産売却で義務化された!?「ホームインスペクション(住宅診断)」とは何なのか

ホームインスペクションとは、不動産の売買契約の当事者以外の第三者的立場にある専門家が、取引対象の不動産について診断を行い、住宅としての欠陥はないか、近い将来必要になると予想される補修費用はどれくらいかなどを評価するものです。

これによって、買い手側は対象物件について、購入すべきか否かの判断材料にすることができ、購入にかかるリスクを知ることができます。

売り手側としては、事前にホームインスペクションを実施しておくことにより、住宅としての安全性や機能を適正に評価することができるので、購入希望者に対する宣伝材料として利用することができます。

契約当事者以外の公平な第三者によって客観的な評価がなされるというのが、ホームインスペクションの一つの大きな意義となります。

現在のところ、ホームインスペクションを行うのに必要な公的資格は設定されていないため、民間のホームインスペクター資格保持者や公的な建築士資格を持つ者、あるいはそれらを両方所持している者などが実務を担っています。

実際にはそうした資格者を保有するホームインスペクション事業者が以来の窓口になることが多いです。

そして近年宅建業法が改正され、ホームインスペクションについて、中古不動産の取引現場で宅建業者による説明が義務化されました。

取り引きの一定段階において、仲介契約の相手方にホームインスペクションにかかる説明をしなければならず、仲介業者側が可能であればホームインスペクション業者のあっせんを行います。

あっせんは単に業者を紹介するにとどまらず、ホームインスペクションの実施に向けて具体的な段取りを調整したり、必要な報告をする仕事も発生します。

つまり、仲介不動産業者としてやらなければならない仕事が増えたということです。

今回の法改正は、中古不動産の流通を促進して国内資産の有効活用を推進するために国が講じたものですが、実際にはいくつかの問題点も指摘されています。

公平性がカギとなるホームインスペクションですが、仲介する不動産業者経由であっせんする場合、ホームインスペクション業者は仕事を貰う立場になるわけですから、売買契約がまとまるように不備のない報告書にするなど恣意的な操作がなされないとも限りません。

改正後の制度はスタートしたばかりですので、今後これらの問題点について議論が生じる可能性もあります。

ホームインスペクションではどんな項目を調べるのか、調査にかかる時間や費用、仲介不動産業者の説明義務や問題点など、詳しくはこちらで確認できます。
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