成年後見人による不動産売却する方法とは?

不動産売却と成年後見人とは?

2018年8月頃、「地面師」と呼ばれる犯罪グループによって大手不動産会社が不動産取引で詐欺の被害にあった事件があり、大きな話題を呼びましたね。

個別の事件の手口はそれぞれですが、このような事件を受けて、これまで以上に詐欺取引に対する警戒が強まり不動産取引における本人確認や所有権者の意思確認が厳格に行われることになると予想されます。

例え親子でも、所有権の無い者は不動産取引の当事者になることはできないようになっているので、この場合は特別な手段を用いる必要が出てきます。

この章では、成年後見人が不動産を売却する方法について解説します。

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成年後見制度とは?

成年後見制度とは?
成年後見制度は、精神的な障害などによって判断能力が低下した人を保護し、支援するための法的な制度です。

認知症などにより判断能力が低下した人も成年後見制度の対象になります。

判断能力が落ちると、例えば自分に不必要な物品を購入してしまったり、損害が出ることを認識せずに何らかの契約に応じてしまう危険があります。

またこの状況を悪用して悪徳業者などに騙されてしまう可能性も出てきます。

判断能力が落ち生活上で不利益を受ける可能性のあるこのような人をサポートし、不利益が生じないように支援するのが成年後見制度の全体像です。

実際の制度の運用においては本人の判断能力の低下度合いに応じて保護及び支援の強度を調整し、できるだけ本人の自由意思が考慮されるように配慮されます。

成年後見制度には3つの類型があるので、以下で概要を見てみます。

本人の判断能力が「不十分」という程度のケースに利用されます。

本人を補助する人を「補助人」、補助される人を「被補助人」といいます。

被補助人について支援が必要な特定の行為につき家庭裁判所から許可を得て、補助人に同意権や取消権、代理権が付与されます。

これにより、本人に不利な契約を結んでしまった場合でも、後から契約を取り消して本人を保護するなどの手当ができるようになります。

本人の判断能力が「著しく不十分」という程度のケースに利用されます。

本人を補佐する人を「補佐人」、補佐される人を「被補佐人」と呼びます。

本人の保護、支援に必要な特定の事項について家庭裁判所から保佐人に対して同意見や取消権が与えられます。

また、別途申立てを行うことで特定事項以外で必要と思われる事項について、同意見、取消権、代理権を付与してもらうこともできます。

本人が判断能力を「欠く」状態である場合に利用されるのが後見で、本人を後見する人を「成年後見人」、後見される人を「成年被後見人」と呼びます。

こちらは本人の財産管理について全般的な取消権と代理権が裁判所から付与されます。

従って、成年後見人は本人の財産管理全般について代理権を持つことになり、これにより親の不動産を売却することができるようになります。

認知症が進み判断能力が大きく落ちた場合はこの後見が利用されることになるので、次の項で成年後見人の選任申立ての手続きについて見てみましょう。

▼不動産売却の詐欺について詳しく調べました。
不動産売却の詐欺の手口と対応策 不動産売却で気を付けるべき詐欺とは?手口や対応策を知ろう

成年後見申立て手続きと必要書類

手続きと書類
本人の住所地を管轄する家庭裁判所が窓口になりますが、申立ては本人以外にもその配偶者や一定の親族が行うことができます。

申立てに必要な書類等は個別ケースで異なりますが、概ね以下のようなものが必要になります。

成年後見人の必要書類
  • 後見開始申立書
  • 申立付票(事の経緯を説明するもの)
  • 後見人等候補者身上書
  • 親族関係図
  • 本人の財産目録
  • 本人の収支予定表
  • 本人の健康診断書
  • 本人及び後見人等候補者の戸籍謄本
  • まだ成年後見等の登記がなされていないことの証明書
必要書類はケースによって異なるので、実際の申立ての際には手続き先となる家庭裁判所に確認するようにしてください。

裁判所に申立てをする際には後見人となる者の候補者を推薦することができるので、親族で適当な人物がいればその者を推薦することができます。

ただし、最終的には裁判所が決定することになるので、候補者が不適格とみなされると別の者が選任されることがあります。

親族以外となる場合は弁護士や司法書士などの資格者が選任されることが多くなります。

また申立てには数千円~数万円の費用がかかり、内訳としては収入印紙代、登記手数料、郵便切手代などになります。

※成年後見人が選任されると、当該人の権限などを登記する成年後見登記がなされます。

さらにケースによっては本人の状態の鑑別手続きが必要になることがあり、裁判所に鑑別が必要と判断されると約10万円程度の鑑別費用がかかります。

後見人の選任までには約2か月程度の期間がかかることも覚えておいてください。

無事後見人が選任されると、成年後見人は本人の行為を代理することができるようになりますが、不動産の売却については成年後見人といえども無条件で代理売却ができるわけではありません。

不動産の売却は大変重要な事柄であり、本人の住居物件を売却するケースでは本人が住処を失うという不利益を被ることがあるので、別に特別な手続きが必要になります。

これを次の項で見ていきます。

居住用不動産の売却許可の申立てが必要

住居としている物件の売却

代理権を有するからといって成年後見人が独自の判断で本人の居住用不動産を売却してしまうと、将来本人の住むところがなくなり困る可能性も出てきます。

そこで家庭裁判所に対して、不動産を売却することについての必要性や妥当性を訴え、売却を許可してもらわなければ売ることができないのです。

例えば、病気入院の為お金が必要だからと家を売ってしまった場合、当面は良くても将来退院した時に住む家が無いと困ることになります。

ですから、売却の必要性だけでなく、将来的に本人が困ることがないかどうか家庭裁判所によるチェックを入れる仕組みになっているのです。

売却許可の申立てには概ね以下のような書類が必要になります。

売却許可の申立てに必要な書類
  • 不動産の売買契約書の写し
  • 不動産の登記簿
  • 売却不動産の査定書など売却価格の妥当性を説明する資料
  • 親族等の同意書
ここで、一番上に売買契約書の写しがありますが、通常は裁判所に売却許可を申し立てる前に買い手候補と契約交渉をして、仮合意をして契約書を作成しておくことが多いです。

その上で売買契約書の中身を裁判所にチェックしてもらい、売却の妥当性や契約内容の合理性などについて確認を受ける必要があります。

しかし買い手にとっても売り手にとっても、裁判所からの売却許可が出るかどうか分からない段階で契約することはリスクがありますね。

そこで、成年後見人が代理で売却するこのようなケースでは、売買契約内で「停止条件付取引」の条項を付けることになります。

これは、裁判所の売却許可が出た場合に契約が有効になるという特約で、許可が下りなければ正式な契約として成り立たないことに両者が同意するものです。

裁判所が許可を出すにあたっては、売却の必要性はもとより、本人の意向や生活状況、売却の条件や売買代金の額、受け取った代金の保管方法、売却についての親族の意向なども考慮されます。

裁判所が売却の許可決定をすれば売却が可能となりますが、もし許可を得ずに勝手に売買取引を進めてしまった場合は契約が無効になります。

買い手から損害賠償を請求されるなどの事態に発展するため、無許可での売買はしないでください。

裁判所の許可が下りて売買契約が有効になれば、物件の引き渡し時期などを調整して買い手に引き渡しを行い、所有権の移転登記を行います。

登記の際には通常の登記で必要になる書類に加えて、対象物件にかかる家庭裁判所の売却許可決定書、及び成年後見人の登記事項証明書が必要になります。

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もし、成年後見制度ではなく不動産を相続した場合なども売却の流れや税金が違います。詳しくは下記で説明しています。
不動産を相続する際にかかる税金と節税方法 相続した不動産を売却時の税金は?売却までの流れと税控除

非居住用物件の売却の場合

非住居の場合
上記までは本人の居住用の物件に関する説明でしたが、非居住用の物件の場合は居住用物件とは扱いが異なります。

非居住用の不動産の場合、売却にあたって家庭裁判所の許可を得ることは条件となりません。

ケースによっては成年後見人を監督する「成年後見監督人」が選任されていることもあり、この場合は売却するにあたって成年後見監督人の同意を得る必要がありますが、監督人が選任されていないケースでは成年後見人が独自の判断で売却を進めることが可能です。

ただし成年後見人が完全に自由に売却処分してしまっても良いかというとそうではなく、本人の不動産を代理で売却するためには、やはり売却することの必要性が求められます。

必要性があるとは、例えば医療費の捻出や施設への入居の為の費用を捻出するなど、売却しなければならない理由があることを指します。

また売却について本人に不利とならないような条件でなければならず、売却金額が市場取引における相当額程度になるようにするなど、本人の利益を害することがないように、代理人となる成年後見人は契約内容にも責任を持たなければなりません。

ただ、非居住用物件の場合家庭裁判所のチェックが入らないので、成年後見人は自分で上記の必要性があるかどうか、また契約内容に問題がないかなどを判断しなければならず、これが負担になることもあります。

成年後見人としての義務に違反することになればその責任を問われることになるので、本人の不動産を売却しても問題ないかどうか、個別のケースで弁護士などの法律家に意見を聞いたり、あるいは家庭裁判所に伺いを立てるといった予防措置を取ると安心です。

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「居住用」の概念に注意

売却対象とする不動産が本人の居住用かそうでないかが売却手続きに大きな影響をもたらすことになりますが、「居住用」の概念については少し注意が必要です。

「居住用」とは、必ずしも今現在住んでいる家とは限りません。

本人が生活の本拠として現在使用している不動産だけでなく、将来的に居住の用に供する可能性のある不動産も含まれます。

例えば、現在は病気で入院中であったり、一時的な介護の為に施設に入居しているなどで現住ではないけれども、入院や介護の必要がなくなり将来的にまた住むことになる可能性のある不動産は本人の居住用不動産として考える必要があります。

従って、このような不動産であれば売却に際しては家庭裁判所の許可を得る必要があるということになります。

うっかり許可を取らずに売却手続きを進めてしまうことがないように、居住用か否かの判断は間違わないようにしてくださいね。

不動産売却と成年後見人のまとめ

この章では認知症になってしまった親の不動産を売る場合を想定して、「成年後見人」として代理売却をする方法について見てきました。

不動産は委任状を使った代理売却も可能ですが、本人が正常な判断の元で委任という法律行為をする必要があり、認知症等で判断能力が落ちた人はこれができないため通常の代理売却はできません。

この場合は子が親の成年後見人となることで売却の道が見えてきます。売却までの流れはこちらの記事『不動産売却の手続きと流れ 不動産売却をスムーズに行おう!』で詳しく説明しています。

本人の居住用物件の場合は成年後見の申立てとは別に、家庭裁判所から売却許可の決定を受ける必要があるので、この点も忘れないようにしてください。

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相続財産管理人とは? 相続財産管理人とは?所有者が死亡し相続人がいない不動産の売却について

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