相続した不動産を売却時の税金は?売却までの流れと税控除

不動産を相続する際にかかる税金と節税方法

両親が亡くなり実家が相続対象になれば、子であるあなたには相続権があるので実家も相続財産として承継の対象になります。

実家が一戸建てであれマンションであれ、賃貸物件でなく被相続人に所有権のある不動産の場合は相続による承継後の扱いについて考えなければなりません。

不動産は現預金のように流動性のある財産ではないので、上手に扱わなければ重荷になってしまいます。

同居していた親が亡くなった、離れて暮らす親が亡くなったなど相続開始時の状況は人によって違いますが、こうした相続時の状況は使える税制の条件などにも関係してきます。

不動産の所有者が死亡していた場合の不動産売却についてはこちらから
⇒『相続財産管理人とは?所有者が死亡し相続人がいない不動産の売却について

この章では相続で引き継いだ実家をどうするか、税制上利用できる優遇施策などを絡めて考えてみましょう。

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相続した不動産は売却がいいのか?

両親と同居
まずはあなたと同居中の親(すでに配偶者を亡くした片親)が亡くなり、両親とも他界して相続人となったあなたが実家を相続した場合を想定します。

同居中であるということは、今現在あなたは実家を利用中ということですから、基本的にはそのまま住み続けて生活の拠点とすることが第一選択肢になるでしょう。

仕事も転勤がなく、その地から離れる予定が無いのであれば自己居住用物件として活躍してくれます。

自己所有物件ならば家賃もかからず、集合住宅のような騒音問題も起こりにくいなど自由度の高い生活ができます。

ただ、ご両親と同居していたのであれば何となく分かっていることと思いますが、自己所有の不動産は定期的なメンテナンスや補修も自己責任で行わなければなりません。

マンションの場合は一定の管理費や修繕費用の積み立てが求められますし、戸建て物件は「一国一城の主」の気分になれるものの、外壁や屋根などの傷み具合を自分で管理して、必要時期に張り替え作業を頼むなど自主的な管理が絶対に必要になります。

屋根の張り替えだけでも数十万円はかかりますから、必要時に不足しないよう、その費用の積み立ても自主管理で行わなければなりません。

もし近い将来に短期の転勤が予定されている場合は、その間賃貸に出すということも考えられます。

1年~3年程度の間にまた戻ってきて自分で利用するという場合は、その間だけ人に貸して賃料を得ることも可能です。

ただし、そのためには借り手が見つからなければなりませんから、まずは需要の程度が問題になります。

郊外にあるような戸建てではなかなか借り手が見つからないこともありますし、戸建てよりは有利なマンションも、最近は空室が増えているので、ぽっと出の空き室に魅力を持ってくれる人がいるかどうか分かりません。

周辺のライバル物件や空きが出る時期によっても有利不利が出るので、物件の種類に応じて賃貸仲介が得意な不動産業者を見つけて仲介をお願いすることになります。

同じ不動産業者でも賃貸でなく売却の仲介が本業な業者や、賃貸を扱うけれど戸建てよりマンションが得意な業者などそれぞれ得手不得手があるので、業者の得意分野の見極めが重要になります。

また、貸し手となるということはオーナーとして借り主に対して一定の責任が生じることも理解しておかなければなりません。

物件を心地よく利用することができる状態に保ち、苦情があれば対処も必要です。

転勤中であるなどの理由で直の対処は難しい点は契約上である程度手当はできますが、できれば管理業者を設定して物件の管理を任せる方が安心です。

ただし当然費用がかかります。

ですから、自己居住用物件として使う場合の定期メンテナンスや、人に貸すリスクなどが重荷だという人は、売却してしまうのがおススメです。

親が亡くなり一人では家が広すぎるなどの事情もある場合は、売ってしまって管理のしやすい新居に引っ越す方が後々も楽でしょう。

売却を考える場合には、状況によっては税制上の優遇策が使えなくなることもあるので、この点を考慮しながら次の項から有利な売却方法について見ていきます。

賃貸に出した実家を売るならば3年以内に売ること

3年以内に売却
不動産の売却で使える有名な優遇施策といえば、「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」です。

これは不動産譲渡所得税の計算上、売却した不動産から得られた売却益から3000万円を控除することができるというものです。

控除した結果売却益が0以下になるようであれば税金の支払いは不要になりますし、0にはならなくても売却益の数字を大きく減らすことができるので、課税対象が小さくなる分税負担を小さくすることができます。

マイホームを売却するケースでは必ず検討すべき特例ですが、利用するには一定の条件をクリアしなければなりません。

この特例については別章で詳しく解説していますので、詳細はそちらで確認できますが、この章では主要な要件の中に以下の条項がある点に注目します。

自分が住んでいる家屋を売るか、家屋と共にその敷地や借地権を売ること。以前住んでいた家屋や敷地等を売る場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

引用元:マイホームを売ったときの特例|国税庁

この要件を見ると、中段から「住まなくなった日から3年を~」とあります。

これは、買い手がなかなか見つからないなど不動産が簡単に売ることができないことを想定して、適用要件を満たしやすいように、引っ越しなどで居住しなくなってから3年のスパンを確保できるように配慮したものです。

そして、その3年の間は賃貸に出すなどしてもOKです。

従って、相続した実家を賃貸に出す場合でも、「このエリアでは将来に渡って安定した借り手を確保するのは難しい」と判断した場合は、自分が住まなくなってから3年以内に売ってしまった方が特例が使える分有利になる可能性が高いでしょう。

特例が使えないと売却益を圧縮できませんから大きな課税対象に大きな税金をかけられてしまうので、使える期間中に売却を成功させる段取りを組めるようにしておくことが必要です。

軽減税率の適用も忘れずに「居住用財産の軽減税率の特例」

居住用財産の軽減税率の特例
相続不動産の売却でもう一つ忘れずに活用したいのが「居住用財産の軽減税率の特例」です。

不動産売却における不動産譲渡所得税では、売却益に一定の税率をかけて税額を算出しますが、税率はその不動産の所有期間の長短で変化します。

原則として対象不動産を売却した年の1月1日において所有期間が5年を超えていれば20%、5年以下の場合は39%の税率になります。

軽減税率の特例は所有期間が10年を超えている場合に利用できるもので、売却益のうち6000万円以下の部分については本来20%の税率のところを14%に下げることができます。

そして相続した不動産の場合、被相続人が所有していた期間と、相続後に自分が所有していた期間を合算できるので多くのケースで所有期間を10年超扱いにできると思われますから、有利な税率を利用することができます。

この特例は前項の居住用財産に係る3000万円の特別控除の特例と併用できるので、セットでの利用を考えましょう。
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買い換え(住み換え)を検討する場合の留意点

住み替え
相続した不動産を売って住み換えの為の新居を購入する場合、一定の要件をクリアすれば「居住用財産の買い替え特例」を利用することができます。

要件等の詳細は別章で解説していますが、本特例は所有期間が10年超であり、所有者本人が10年以上居住している物件でなければなりません。

▼要件などの詳しい詳細は下記から読めます。
不動産売却の税金とは? 不動産売却にかかる税金を調査!計算方法や税金対策・控除について【シミュレーションあり】

この特例は、売却した不動産の売却金額が新たに購入した不動産の取得価額よりも小さい場合に、不動産譲渡所得税の課税が繰り延べられるものです。

繰り延べは税が非課税になるのではなく、買い換えた不動産を将来売却した時に清算するというものです。

その将来の売却の際に売却損がでれば、当初買い換え時の含み益を圧縮できるぶん有利になりますが、将来の売却で売却益が出た場合は最初の買い換え時に出ていた売却益を加算されてしまうので不利になることもあるというもろ刃の剣のようなものです。

そのため利用の是非については良く考えなければなりませんが、注意点としては、本特例は上述した「居住用財産の3000万円の特別控除」及び「居住用財産の軽減税率の特例」と併用できないことです。

上記のように将来の売却時にどうなるか不透明な部分があるため、基本的には「3000万円の特別控除」が利用でき、譲渡所得が3000万円以下で同特例の利用によって税額が0になるようであればそちらの方が有利になる可能性が高いです。

ただ、買い替え特例の方は繰り延べられた課税が将来の売却で清算されるものですから、「将来買い替えをすることはない」とはっきりしている場合は結果として当初の買い替えの際の含み益も不問となり課税されないことになります。

将来買い替えをしないことがはっきりしていて、買い換え時の譲渡所得が3000万円を超えている場合は、少しでも税金がかかってしまうことを避けて、3000万円の特別控除ではなく買い替え特例を利用した方が有利と言えます。

なお、当初の買い替え時に旧マイホームの売却金額が新たに購入する不動産の価額よりも大きい場合は、その差額が不動産譲渡所得税の課税対象になります。

▼買い替え・住み替えのタイミングについてはこちらの記事で説明しています。
買い換え・住み換えはタイミングが重要!売却と購入どっちが先? 買い換え・住み換えはタイミングが重要!売却と購入どっちが先?

非同居の実家を相続した場合はどうすればいい?

非同居の実家を相続
あなたがすでに独立していて亡くなった両親と非同居であった場合は、相続不動産について同居しているケースよりも対応が難しくなるかもしれません。

もし、独立している場合でも実家が近場にあってそちらに引っ越して生活することができるのであれば、実家を生活の拠点として活用することも検討できます。

それまで賃貸暮らしであれば以後は定期的なメンテナンス費用などは別として、月々の家賃はかかりません。

ただ実際には市や県をまたいで遠距離で生活しているケースも多く、また仕事の事情もありますから相続後に実家に戻ってそこを拠点に生活するという選択はあまりないと思われます。

賃貸に出す選択肢も検討できますが、先にも述べたように賃貸経営はそう簡単なものではありません。

空室リスクや借り手に対する責任、管理費、メンテナンス費用や固定資産税の負担など色々と考えなければならないことが多いので、日頃から賃貸経営について勉強していたり、賃貸経営で収益を上げた実績があって勝算があるような場合でなければ、やはり売ってしまった方が安心できるのではないでしょうか。

マンションも含めて家屋は経年劣化の問題もあり、人が住まないとみるみるうちに朽ちてしまい、市場価値も1年ごとに急激に下がりますから売却は早い方が有利です。

非同居の実家の売却の場合、「空き家にかかる3000万円の特別控除」が使えることがあるので次の項で見ていきます。

空き家に係る3000万円の特別控除とは?

空き家に係る3000万円の特別控除
近年、空き家が急増したことによる様々な弊害がでていることがテレビ等でクローズアップされています。

倒壊による周辺への危険や、悪臭の発生源になる、落書きや不法投棄の場になり不審者のたまり場になるなど周辺環境への悪影響がニュース等で報じられることが多くなりましたね。

少し前には、刑務所から脱走した囚人が空き家をねぐらに転々と逃走を続けたため、警察が長期間逮捕できなかった事件もありました。

空き家は直接的にこうした被害を生み出す元凶となるだけでなく、貴重な不動産資源が有効に活用されないというのは国家的な損害と考えることもできます。

空き家が増えている理由は色々考えられますが、主には相続時による利活用が上手く行われず、不動産資源の回転が上手くいっていないということが考えられます。

相続した空き家も「とりあずこのままで・・」「思い出もあるし・・」などとして結局ボロボロに朽ちてしまうまでそのまま、というケースが多くなります。

そこで、税制上で不動産市場での空き家の回転をよくしようと、相続した空き家を譲渡した場合に優遇措置を受けられる制度が発足しました。

上で述べた「居住用財産の3000万円の特別控除」は、基本的に自分がそれまで住んでいた物件でなければ利用できませんが、この特例は被相続人が死亡して空き家になった場合に、相続人本人が被相続人と同居しておらず、それまで住んでいなかった物件でも利用が可能です。

制度の概要としては、相続の日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住用の財産を相続した相続人が当該不動産を譲渡した場合に、不動産譲渡所得税の計算において譲渡所得から3000万円を控除することができるというものです。

ただし家屋については、現行の耐震性が担保されていない場合は耐震リフォームを行うか、もしくは家屋を取り壊して更地にして売却しなければなりません。

倒壊等の危険のある空き家を無くすのが本来の目的なので、ここら辺の要件は少し厳しいですね。

主な要件等を以下で見てみます。

  1. 相続の日から起算して3年を超える日の属する年の12月31日まで、かつ特例の適用期間である平成28年4月1日~平成31年12月31日までに譲渡すること(将来的に空き家は増加傾向に進むので本特例は延長される可能性が高いです)
  2. 相続開始の直前において、被相続人の居住の用に供されていた不動産であること。
  3. 相続開始の直前において、被相続人以外に居住していた者がいないこと
  4. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物を除く)であること。
  5. 相続の時から譲渡の時まで、事業の用、貸し付けの用、居住の用に供されたことがないこと。家屋を取り壊して更地にする場合は、取り壊した家屋について相続の時から取り壊しの時までに事業、貸し付け、居住の用に供されたことがないこと、かつ土地については相続の時から譲渡の時まで事業、貸し付け、居住の用に供されたことがないこと。
  6. 譲渡価額が1億円以下であること。この特例は上述した「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」と併用できますが、同一年に併用する場合は二つの特例を合わせて3000万円が控除の限度額になります。

まとめ

今回は相続で実家を引き継いだ場合の不動産としての活用について考えてきました。

不動産という性質上、自分で住むか、人に貸すか、それとも売るかというのが主な選択肢になりますが、自分で利用できるのであれば基本的には自己居住用として活用するのが最初の選択肢にあがります。

生活拠点等の問題で自分では利用できない場合には賃貸に出すということも検討はできますが、賃貸経営のセンスがあって十分な勝算がないのであれば、色々なリスクや手間等を考えて売却するのがおススメです。

売却の際にはいくつか利用を検討できる税制上の特例がありますが、相続時の状況が利用の可否に影響することもあります。

被相続人と同居していた物件であれば「居住用不動産の3000万円の特例」、非同居であった場合は「空き家にかかる3000万円の特例」がまず検討できます。

特例の利用には時期的な要件も絡んでくることがあるので、売ろうかどうか悩んでいる間に時期を逸してしまわないように注意が必要です。
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