不動産の売却で起きやすいトラブルとは?予防と対応策について

不動産売却のトラブル

人によって不動産売却に臨まなければならない事情は異なると思いますが、何らかの理由で不動産を売らなければならない人、近い将来売却することを考えている人にとってはかなり緊張するイベントになりますね。

日用品などのリサイクルと違い不動産を売る機会はめったにあるものではないので、特に初めて不動産売却を経験するという人は「大きなお金が絡むし、何かトラブルがあったらどうしよう」と不安を感じることと思います。

不動産取引の世界は昔から色々とトラブルが起きやすいのは確かですから、事前に知識を仕入れてトラブルが起きないように配慮をしておきたいものです。

この章では不動産売却で起きやすいトラブルと、これを避けるための方法や対応策について解説しています。

不動産を売るという一大イベントでトラブルに巻き込まれない為に、ぜひ参考になさってください。

不動産売却を巡るトラブルは、主に購入者または購入希望者とのトラブルと、仲介不動産業者とのトラブルに分かれます。

まずは前者について見ていきましょう。

購入者・購入希望者とのトラブル編

購入者・購入希望者とのトラブル編

土地の境界を巡るトラブル

土地や土地付きの戸建てを売却する場合、境界について問題となることがあります。

不動産登記簿を取ると、当該の土地について面積が記されているので、机上では「このくらいの広さなんだな」と理解できるのですが、実際にその土地に赴いて見ると「どこからどこまでの範囲に所有権の権利が及ぶのか」ということは登記簿と照らすだけでは分かりません。

実際に土地の権利が及ぶ範囲については、買い主が望めば売り主が明示しなければならない義務があるので、隣地との関係をはっきりさせておく必要があります。

イレギュラーなケース以外は、買い手もトラブルを避けるために境界についてはっきりした土地でなければ購入してくれません。

隣地との境界を区別するために「境界票」が設置されていることがありますが、境界票は昔から自然木や石などが利用されてきたため、古い境界票は朽ちてしまい確認が難しいこともあります。

近年は頑丈な人工物を境界票に用いるのが普通ですが、人工物を利用した場合でも、地震など自然災害によってずれてしまっていることもあるなど、必ずしも今現在の状況を正確に反映しているとは限りません。

そのため、境界がはっきりしない土地が取引対象になる場合は、測量を行って境界を確定させる必要があります。

確定しない状態でも売ること自体は可能ですが、後日問題になる可能性が高く、その際の損害賠償責任など問題が大きくなるので境界の確定は必ず行うようにしましょう。

問題は、境界の確定には隣地所有者の立ち合いのもとに、合意を形成しなければならない点です。

境界の確定は土地家屋調査士による測量によって行い、その結果を隣地所有者にも確認してもらう必要があるので、隣地所有者の協力がどうしても必要になってきます。

例えば隣地所有者と以前から何らかの感情的な対立を抱えている場合、嫌がらせのために境界の確定に意図的に協力しないというケースも出てきます。

このような時は、公的機関による「筆界特定制度」を検討しましょう。

そもそも境界(筆界)は過去に自治体や法務局など公的機関によって設定されたものであり、概念上は将来にわたって変わることはありません。

公的効力をもってこの境界を改めて特定するのが筆界特定制度です。

この手続きは隣地所有者の協力を得られなくても進めることができますが、手続きに1年近くかかることもあるなど時間を要するのが難点です。

また筆界特定度を利用しても、隣地所有者に不満がある場合は境界確定訴訟によって争われる余地が残ることは覚えておく必要があります。

土地を売る側としては、このようなトラブルの種が少しでも残らないようにした方が売却をスムーズに進めることができるのは目に見えていますね。

従って、今は売るつもりがないとしても、所有している不動産の隣地所有者、つまり「お隣さん」とは日頃からトラブルを避けるような付き合いをしておくことが肝要です。

また境界を確定させるための測量を入れることは、相手(隣地所有者)にも利があることを説明すると良いでしょう。

境界確定のための測量は、通常その必要性がある側が費用を負担するので、つまりは不動産を売りたいと願う売り主側が費用を支弁することになります。

隣地所有者は費用負担をせずに境界をはっきりさせることができ、境界票もタダで打ってもらうことができるのですからメリットは大きいと言えます。

土地家屋調査士による測量は通常数十万円~数百万円規模の費用がかかるので、これをタダでやってもらえるという利点は隣地所有者にとっても大きいものであることを説明して、測量への協力を要請してみましょう。

設備に関するトラブル

中古住宅は建物自体はもちろんですが、設備に関しても中古品となるので、住宅設備としての機能が低下した状態で買い手に引き渡されることになります。

ボイラーや排気設備など家内には多くの設備がありますから、これら設備の機能面で買い手に不利益を与えることがあれば責任を問われることになります。

実務では設備表を作って一つ一つの設備の稼働状況を確かめて、動作に支障がないか確認して設備表に状況を記入していきますが、できれば売り主も不動産業者の担当者と一緒に立ち会って漏れが無いように作成しましょう。

不備の無いはずの設備に不備があることが分かれば、買い手は当然怒りますし損害賠償を請求されることになります。

場合によっては賠償金を払ったうえに契約を解除されてしまうことにもなりかねないので、中古の設備の状況確認は念を入れて行うようにしてください。

中古設備に関しては大手の仲介業者の場合、設備保証サービスを利用できることがあります。

無料の点検を受けたうえで、一定期間の保証を受けられるお得なサービスですので、可能であればぜひ利用するべきです。

設備に関しては残置予定の設備や備品に関するトラブルもあります。

例えばエアコンなど、取り外し可能なものはそのまま残置予定物として売却対象に含むこともできますし、取り外して新居に持っていくこともできます。

残置予定物に含む場合、当然売買代金に含んで値段の合意がされたわけですから、あるはずの設備や備品がなければ責任を問われます。

設備表にこまごまとした設備や備品の有無について記載がされていきますが、その中で漏れが生じることもあり、これを見逃すと売り手側の契約違反を突き付けられてしまいます。

設備表は不動産業者の担当が作ることが多いですが、漏れが出やすいところですので売り主としても実際の設備等と設備表を突き合わせて確認するようにしましょう。

瑕疵担保責任に関するトラブル

瑕疵担保責任は売り主が非常に大きな代償を支払う羽目になる危険な仕組みになっていて、不動産売却では不利益を受けないように慎重に対応しなければなりません。

瑕疵担保責任の詳細については別章でも解説しているので参考にして頂きたいと思いますが、簡単に言えば買い主も売り主も知り得なかった不動産の瑕疵(欠陥や不具合など)=「隠れた瑕疵」について、どちらがどの程度責任を負うのかという問題です。

例えば、建物の場合は雨漏りやシロアリの被害など、一見しては分からない欠陥や不具合が後日表面化することは往々にしてあります。

中古不動産取引にはこのようなリスクが内在しているので、取引の際には非常に気を遣います。

経年劣化がある建物において特に気を付けなければならないものですが、経年劣化の無い土地についても瑕疵担保責任のリスクはあり、むしろ土地の方がリスクが顕在化した際のダメージは大きくなりがちです。

土地の場合、埋設物があることが分かるとその撤去作業に高額の費用がかかります。

買い主が建物を建てなおす際や土地開発を行う際に地中に埋設物があることが分かると、その撤去費用を売り主に求めることになるので、売り手はある日突然高額の請求が届いて慌てふためくということになりかねません。

原則論では、引渡し後に隠れた瑕疵が発覚した場合、一定期間はその補修や修繕にかかる責任は原則売り主が負わなければならないことは絶対に知っておく必要があります。

もし売買が親戚相手や友人知人などで、仲介不動産業者を通さず取引する場合、契約について細かいことを気にせずに進めてしまうと、万が一の際には後で責任を追及されてしまうので、個人間取引の場合でも必ず瑕疵担保責任について売り主の負担を軽減する内容を定める必要があります。

仲介不動産業者を通す場合は、一応瑕疵担保責任については定型的な取り決め条項の案を示されると思いますが、何も考えず業者の提示する内容とするのは危険です。

瑕疵担保責任は売買契約上で売り主の責任を軽減させることができるので、可能であれば「売り主は瑕疵担保責任を負わない」旨の条項を文字にして契約内容に盛り込んでください。

交渉上それが不可能な場合でも、対応する瑕疵については雨漏りに限定するなど責任を負う範囲を限定する、責任を負う期間を引渡し後3か月とするなど期間を限定してください。

これによって、「どんな瑕疵の責任をいつまで負えばいいのか」が明確になり、不安と負担を大きく減らすことができます。

契約上の落とし穴として、「現状有姿引渡し」としたうえで瑕疵担保責任については取り決めないことがありますが、これは非常に危険です。

普段売買の仲介に慣れていない不動産業者の場合、これで問題ないと言われる可能性がありますが、現状有姿引渡しは瑕疵担保責任とは法律上は別の概念と解されるので、安心していると後日瑕疵担保責任を追及されて慌てることになります。

従って瑕疵担保責任については別途条項を設けるようにしましょう。

またこの責任は売り主が知っていた瑕疵については対象外である点も要注意です。

その場合例え瑕疵担保責任条項を設けていても、それとは別にダイレクトに責任を追及され、加えて損害賠償や契約解除のリスクも出てくるので、知っている瑕疵については物件状況確認書(告知書)で買い主に伝えておかなければなりません。

この点、見逃しがちなのが不動産そのもの以外の「心理的瑕疵」や「環境的瑕疵」です。

土地と建物だけしっかりしていれば良いというわけは無く、人が住む住環境として物理的なもの以外に瑕疵が無いかどうかも問題となり得ます。

例えば事件や事故が起きた物件であったり、近隣とトラブルが発生している、騒音や臭気が気になるなど、住環境として良く思われないことは全て買い手に告知しておかないと後で「こんな物件売りつけやがって」とトラブルになる可能性があります。

環境的瑕疵は他にも電波障害なども入ってくるので、どんなことが告知対象になるのか分かりづらい場合は仲介不動産業者と相談しながら考える必要があるでしょう。

心理的瑕疵や環境的瑕疵については、そこに住んでいる住人であれば通常知り得る瑕疵であることが多いので、買い手側からの責任の追及が容易です。

例えば事件や事故があったならば住人である売り主は当然知っていたのだから、この瑕疵は「隠れた瑕疵」ではなく、当然告知しなければならない事項を知らせなかった売り主の直接の責任であるとして、瑕疵担保責任よりもより直接的に、重い責任を追及されることになります。

従ってこれらの瑕疵については、知らないふりをして取引した場合に責任を追及されるリスクが高くなります。

上記以上に瑕疵担保責任について詳しく書いています。
瑕疵担保責任とは? 不動産売却で問題になる「瑕疵担保責任」とは?

マンションの管理規約に関するトラブル

戸建てと違ってマンションは、所有権は自分にあってもある程度自由利用に制限を受けます。

戸建てのような自由利用が許されると、他のマンション住人の権利を害することもあるからです。

そこで、各マンションでは独自のマンション規約が定められおり、入居者はこれに従って利用しなければなりません。

ところがこのマンション規約はトラブル防止の観点からかなり細かい取り決めとなっていることが多く、普通に生活している限りは細かいところまで把握していない人が多いのが実情です。

そのため、マンションの売買取引後に購入者がやりたいことに制限を受けてしまうことがあり、売り主がクレームを受けてしまうことあります。

例えば売り主はインコなど小動物を飼っていたが、特に周辺からの苦情もなく違反ではないと思っていたところ、売却後の買い主が猫を飼い始めたら鳴き声や臭いで隣から苦情が発生し、調べたら規約では小動物も含めペット禁止になっていた、などです。

他にも、購入後にリフォームする前提で購入したのに、実際のリフォームは周辺住人の許可がなければできないことになっていたという事例もあります。

リフォームは工事の為に騒音が出たり一部設備の利用に制限が出ることもあるので、周辺住人への配慮のためにそのような規約を設けるマンションも多いです。

またベランダやバルコニーなども自由利用が制限されることがあります。

例えばベランダでタバコを吸ってはいけない、布団を干してはいけない、などです。

こうした細かい制限は売り主側が普段意識していないものは承知していない条項があったりするので、今自分がしていて苦情等が発生していなくても、規約上は問題がある行為である可能性もあるということです。

そのため、買い主への説明で不用意に「小さなペットなら問題ないですよ」などと言ってしまうと、後で責任を問われかねないので注意が必要です。

安全を重視するならば、会話の中で「〇〇しても大丈夫ですかね?」と聞かれてもその場では回答せず、「マンションの管理規約をお渡しするので、あとはそれに従ってください」といって明言を避けると言質を取られないので安心です。

ただ、あまり回答拒否を固持すると、「何かわけありのマンションなのか?よっぽどキツイ制限を受ける物件なのだろうか?」と勘繰られてしまい契約妥結に響いてしまう危険もあります。

リスクが高くなさそうな質問であれば、自身でも規約を読み込んで返答してあげても良いでしょう。

手付金に関するトラブル

契約当事者にとってリスクの高い不動産取引においては、手付金を利用することがあります。

一般的に手付金は「解約手付」として扱われ、買い手が売り手に売買代金の一部として支払います。

物件引き渡し時に残金を支払うことで清算しますが、万が一契約を解除したい場合は、売り手側は手付金の倍額を支払うことで(手付倍返し)、買い手側はその手付金を放棄することで(手付流し)解除が可能になります。

この手付金の扱いについて、以下の3点に注意してください。

①手付の種類を確認する

手付金は実際にはいくつか種類があり、上で説明したのは「解約手付」と呼ばれるものです。

契約内で特に指定が無い場合は解約手付として扱われますが、他にも「証約手付」、「違約手付」と呼ばれる種類も存在します。

もしこのどちらかの指定がある場合、手付金としての性質は上記で説明した解約手付とは異なってくるので、売り主としては手付金の種類が何なのかはっきりと承知しておかなければなりません。

②手付解除には条件がある

手付金(解約手付)を設定したからといって、手付倍返しや手付流しによっていつでも契約を解除できるわけではありません。

手付解除を行うには「相手方が契約の履行に着手する前」である必要があります。

不動産取引の場面では、例えば買い主が引越しの為の契約を業者と結んだり、手付金以外の中間金を支払った場合は売り主側からの手付解除はできない可能性が高くなります。

実際には「契約の履行に着手」したかどうか争いになることも多いですが、ケースバイケースで判断するしかありません。

いずれにしろ、手付金を設定したからといって、いつでも自由に契約を解除できるわけではないことに注意してください。

③手付の額と解除期日の設定を考える

上記②の通り「契約の履行に着手」したかどうか見極めが難しいため、実務上は手付解除ができる期日を契約上で定めることも多いです。

例えば「手付解除ができるのは〇年〇月〇日まで」などとします。

この設定をする場合、期間を長く設定すると買い手側からキャンセルしやすくなってしまうので、基本的には期間は短めにした方が良いです。

また手付の金額については特に縛りが無いので当事者同士で決めることができます。

概ね売買代金の1割程度が手付金の相場ですので、これを基準に考えることになりますが、できるだけ高めに設定することで買い手からキャンセルを受けるリスクを減らすことができます。

ただし、逆に手付倍返しで売り手側からキャンセルする際にはその分負担が高まりますし、あまり無理な条件にすると契約そのものの成否に影響が出るので、他の条件交渉と合わせて可能な範囲で高めにするという姿勢にしましょう。

上記のように、手付については性質や条件設定で契約当事者間で意識を共有しておかないとトラブルにつながるので注意してください。

契約解除に関するトラブル

手付金以外でも、契約解除に関するトラブルでは買い主が住宅ローンの審査に落ちてしまい、代金を用意できなくなって契約進行がとん挫するということもあります。

これを防ぐため、買い手が住宅ローンを利用した購入を希望する場合、通常は「住宅ローン特約」を付けることになります。

これは、もし住宅ローンの審査に落ちてしまった場合には、購入契約を白紙に戻すという特約です。

基本的に、この特約は買い手を保護する条項となる点に留意します。

住宅ローン特約によって契約解除となる場合、売り手は交付された手付金を返還しなければならないので、手付金相当額は消費せずに確保しておかないとトラブルになります。

また仲介業者を使って契約する場合でも、実際の住宅ローン特約は細かい条件設定をしないと売り主が不利益を受ける恐れが出てきます。

良心的でない業者の場合、細かい条件設定を意識せず簡単な条項にしてしまうことがあるので、売り主としてはこの点を意識しなければなりません。

住宅ローンが通らないといっても、状況は色々あります。

他に良い物件が見つかったからといって、買い手側が故意にローン審査に通らないようにすることもあるので、契約内では申請するローン商品について、その金額や金利などについても細かく取決めをしておく必要があります。

そうしないと、売り主としては買い手がローンの審査に通ることを前提に契約したのに、「審査落ちました」の一言で契約が解除されてしまい、手付金を返還しなければならない上に売り主側の計画が狂ってしまうことになります。

新築マンションの売却に関するトラブル

当初自分が住む予定で新築マンションを購入したけれど、転勤など都合により住むことができなくなるということもあります。

この場合、未入居のまますぐに売却ということになりますが、未入居の新築物件の場合通常の不動産売却と違って「住宅品質確保法」という法律が絡んでくる可能性があり、売り主が大きなリスクを背負う危険が出てきます。

通常、中古不動産の売却では「瑕疵担保責任」の条項を設けて、物件引き渡しの後の不具合について責任を取り決めることになります。

しかし未入居の新築物件で「住宅品質確保法」における新築住宅となる場合、中古不動産の取引における瑕疵担保責任よりもリスクの幅が大きくなってしまいます。

同法の規定によって、売り主は10年間の瑕疵担保責任を負うことになり、さらに契約上で買い主に不利な条件とすることができないことになっているので、例えば瑕疵担保責任を追わない特約や、責任を負う期間を縮めること、責任の範囲を狭めるということができないことになっています。

もし契約内でそうした買い手に不利な条項としていた場合でもこれは無効となり、売り主はやはり同法に定める責任を負わなければなりません。

当初は契約内で瑕疵担保責任の範囲や期間を狭めて安心していたところ、後日「住宅品質確保法」における新築物件であると買い手が認識し、購入9年目に売り主に責任追及をしてくる可能性もあるということです。

これは売り主が業者でなく個人であっても適用があるものです。

ただし、当初の分譲マンションの販売者も同様に10年間の瑕疵担保責任を負っていますから、その範囲で修理や補修にかかった費用を求償する道はあります。

仲介不動産業者とのトラブル編

仲介不動産業者とのトラブル編

仲介手数料を巡るトラブル

売却を仲介してくれた不動産業者には手数料を支払わなければなりませんが、手数料は法律で上限が定められています。

上限額の計算は『不動産売却で気を付けるべき詐欺とは?手口や対応策を知ろう』で解説しているのでこちらを参考にして頂きたいと思いますが、中には依頼者の無知に付け込んで上限を超えた額を請求する手数料詐欺も存在するので、この点は注意が必要です。

上記リンク先でも説明していますが、手数料とは別枠で、仲介業者が支払った特別な実費については請求が可能なことがあります。

例えば、依頼者の要望に応じて遠隔地の購入希望者との折衝のために業者が現地に出向いた場合の出張費用などです。

この特別な実費として認められるのは以下の3点を満たすものだけです。

  • 通常の宣伝活動では発生しない費用であること
  • 依頼者の特別な依頼によって発生した費用であること
  • 実費であること

ごく例外的なものだけが対象になるはずですが、依頼者が不用意に要求したことで実費が発生する仕事を依頼してしまうとトラブルになりかねないので注意が必要です。

手数料についてはこの他にも「コンサルティング料」名目で別途費用を請求される事例もあります。

良心的な業者であれば過剰な心配は要りませんが、不動産に関して何らかの相談をした場合に、これを捉えてコンサルティング料を請求してやろうと考える業者もいるかも知れません。

不動産の知識や経験が無い人は色々と相談したいことも出てくるでしょう。

安全を期すならば、念のため「この相談ってコンサル料とかはかからないですよね?」と牽制しておくと安心です。

もし身に覚えのない請求があった場合は安易に応じず、必要に応じて関係機関に相談するなどの対応が必要です。

媒介契約に関するトラブル

売却を仲介する不動産業者とは媒介契約(仲介契約)を結ばなければなりません。

専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合は他社に重ねて仲介を依頼することが禁止されますし、専属専任媒介契約の場合はこれに加えて自己発見取引(売り主が自ら買い手を見つけて契約すること)も禁止されます。

バレないだろうと考えて、上記に違反した場合には約定報酬額の請求を受けることになるので注意してださい。

また専属専任媒介と専任媒介契約については契約期間は最長3か月で、必要に応じて更新していきます。

一般媒介契約は法律上の縛りはありませんが、実務上はやはり3か月とすることが多いです。

これら媒介契約は売り主都合で契約を途中解除もすることは可能ですので、いつでも他社に乗り換えることはできます。

ただし、売り主都合の中途解約をすると専任媒介及び専属専任媒介契約の場合、仲介業者はそれまでにかかった広告費用の実費を請求することができます。

請求するかどうかは仲介業者側が決めるので、実際は請求を受けないこともありますが、依頼者と業者間の関係が悪化したことによって中途解除を申し出た場合、業者側も遠慮なく費用を請求してくることも考えられます。

中途解約は広告費用の請求をされる可能性があることを踏まえての検討が必要です。

費用を請求される場合のトラブルとしては、実際にかかった広告費用の実費なのかどうか、素人には見極めが難しいこともある点です。

実務的なことは素人には分からないことに付け込んで、色々な名目を作出して費用を請求してくることも考えられます。

良く分からない、納得できない名目で請求を受けたら、その点について詳しく説明を求めること、納得できる説明を受けることができない時には、支払いに応じる前に関係機関に相談するという姿勢が必要です。

▼不動産売却における媒介契約について説明しています。
不動産売却の媒介契約とは? 不動産売却における媒介契約とは?契約の種類とメリット・デメリット

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